妊娠・出産の費用と助成金について

妊娠・出産は健康保険が効かない場合が多いので、保険適応なら3割負担のところが、10割負担となり非常にお金がかかります。

ですが、実際は自治体や国の補助制度によって妊娠から出産までかかる金額をほとんど負担しなくて済む場合もあります。

ここでは、妊娠・出産に関わるお金の話をしたいと思います。

ひとこと
正しい知識があれば妊娠・出産の出費はぐっと抑えることができるんですよ

妊娠・出産の費用と助成金

みんなが使える補助制度

日本国内に住んでいて、必要な届けや申請を行えば受けられる補助制度は下記のとおりになります。

妊婦健康診査助成金(妊婦健診の補助券)

妊婦健診の費用負担が大幅に減る制度です。

健診を受ける時期や回数について厚生労働省は、妊娠初期から妊娠23週までは4週間に1回、妊娠24週から妊娠35週までは2週間に1回、妊娠36週から出産までは週1回の受診を勧めています。

1回目が妊娠8週頃とした場合、受診回数は合計14回程度になり、この14回分の妊婦健診を無料で受けられる補助券の発行が各自治体で行われています。

自治体によって若干、回数や内容に差がありますが、1回5000円~1.5万円かかる妊婦健診が無料になるのはありがたいことです。妊婦健診のほか、子宮がん検診や妊婦歯科検診、クラミジア検査などが無料になる補助券が入っている自治体もあります。

詳しい内容については、お住いの各自治体のホームページを参照するか、問い合わせて頂くと確実です。

申請場所 お住いの市町村町の妊娠届を提出する場所(保健センターや市役所など)
必要なもの 妊娠届出書、マイナンバーがわかるもの(個人番号カードや個人番号通知カードなど)、身分証明書(免許証、保険証など)、印鑑など、各自治体によって必要なものが違います。
申請時期 母子手帳交付時に一緒にもらえる場合が多く、妊娠届を出す時期は産婦人科で教えてくれます。だいたい、赤ちゃんの心拍確認のできる妊娠8週前後ぐらいになりますが、状態によって前後します。

出産育児一時金

健康保険や国民健康保険の被保険者またはその被扶養者が出産した時に、42万円支給される制度です(産科医療補償制度に加入していない医療機関等で出産した場合または在胎週数22週未満の分娩の場合は40.4万円)。ちなみに双子など多胎の場合には、赤ちゃんの人数分だけ支給されます。出産育児一時金は、保険協会から病院や産院などに直接支払われるため、出産費用を一時的に立て替える必要がなく、まとまったお金を準備する必要がありません。支払い方法には、直接支払制度と代理受取制度があり、直接支払制度を取り扱っている病院・産院では直接支払制度が、取り扱っていない病院・産院では受取代理制度が選択されます。どちらもまとまったお金の準備の必要はありませんが、申請方法が違ってきます。出産予定の病院・産院で、どの制度が利用できるか確認しておきましょう。全国の平均的な出産費用は、平成24年度の厚生労働省のデータでは約49万円(病室ランクのアップ料金やお祝い膳などの医療外費用、産科医療保障制度の保険料を含む)でした。都道府県別の平均をみると、最も安いのが鳥取県で約40万円、最も高いのが東京都の約59万円ですが、大部分は出産育児一時金でカバーされることになります。

申請場所:直接支払制度の場合は、病院で渡される申請用紙に記入するだけでOKです。受取代理制度の場合は申請書に医師の証明をもらい、健康保険なら会社の保険窓口(総務や管理部門など)に、国民健康保険なら市町村の役所などに申請します。

必要なもの:支払い制度の方法に関わらず、申請書類には押印が必要だったり、振込先の口座番号を記入する必要があるため、印鑑と預金通帳があると書くときに便利です。それプラス、受取代理制度を利用する国民健康保険の被保険者の方は、保険証、申請書、本人確認できるもの(運転免許証や保険証など)、印鑑が必要になる場合があります。マイナンバーがわかるもの(個人番号カードや個人番号通知カードなど)が必要な市町村町もありますので、事前に確認しておきましょう。

申請時期:直接支払制度の場合は出産前か産後の入院中に病院から申請用紙を渡されます。受取代理制度の場合は、出産予定日の2か月前から申請できるので、動けるうちに早めに申請しておきましょう。

働くママが使える補助制度

上記の補助制度に加えて、働くプレママ・ママは多くの補助制度が使えます。お勤め先の健康保険組合などによって内容は違ってくる場合もありますので、詳細は総務部や管理部門に確認を取りましょう。

傷病手当金

つわりがひどくて会社に行けない場合や、切迫流産・切迫早産などで自宅安静や入院が必要になった場合など、妊娠中に会社を長期に休むことはあり得ることです。会社を休んでいる期間は無給になってしまうわけですが、休業が4日以上続くと傷病手当金を申請でき、給与日額の2/3相当が休んだ日数から3日ひいた日数分だけ支給されます。もしつわりで30日休んだ場合だと、日給×2/3×27日分の金額が支給されることになります。社内規定によっては、傷病理由でも長期休業によって給料形態が月給制から日給制に変わったり、ボーナスの査定に響いたりするところもあるため、有給がある場合には、そちらを優先して使ったほうがいい場合もあります。社内規定を一度確認しておくことをおすすめします。

申請場所:勤務先の保険窓口(総務や管理部門など)

必要なもの:申請書、印鑑、銀行口座とマイナンバーを書く必要があるので預金通帳とマイナンバーがわかるもの

申請期限:働くことのできなくなった日の翌日から2年以内

出産手当金

健康保険の被保険者が出産のため仕事を休み、給与の支払いを受けていないときに、申請によって支給されるのが出産手当金です。出産日(出産が予定日より後になった場合は、出産予定日)以前の42日間(多胎妊娠の場合は98日間)と、出産日の翌日以降56日間の範囲内で、会社を休んで給与の支払いがなかった期間が支給対象期間となります。1日あたりの支給金額は、【支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額】÷30日×2/3で計算されます。ちなみに標準報酬月額というのは、ざっくり言うとボーナスや残業代や通勤費などの手当も含んだお給料の月額のことです。出産した月の前月以前の12か月分で残業が多かったり、ボーナスの支給額が多い時などには、その分出産手当金も高くなりますが、決して無理はしないようにしましょう。出産手当金は、妊娠85日(4か月)以降の生産(早産)、死産(流産)、人工妊娠中絶の場合にも対象となります。

申請場所:勤務先の保険窓口(総務や管理部門など)

必要なもの:申請書、印鑑、銀行口座とマイナンバーを書く必要があるので預金通帳とマイナンバーがわかるもの

申請期限:申請出産のため働くことのできなくなった日の翌日から2年以内

働くママ・パパ両方が使える補助制度

ご夫婦両方が使える制度をご紹介します。ママだけでなく、パパも使うことで、給付金の給付期間が延長になったり、育休のトータル時間を長く取ることにもなりますので、ぜひ使いましょう。

育児休業給付金

入社1年以上で、1歳に満たない子の育児のために休業することを希望する場合、申請によって育児休業をすることができます。育児休業期間中に給付されるのが育児休業給付になります。育児休業期間は2017年10月1日から延長されることが決定しています。今までは、子どもが1歳になるまで(父母ともに育児休業を取得する場合の育児休業取得可能期間が延長できるパパママ育休プラス制度を利用する場合は1歳2か月まで)、保育所に入れない等の場合に、育休期間を1歳6か月まで延長できましたが、改正によって、1歳6か月に達した時点でも保育所に入れない等の場合には、最長2歳まで延長できることになりました。育児休業給付の支給期間も同様に延長できるので、保育所に入れない等の場合には最長2歳までの間、給付金が支給されることになります。給付金の月額は、休業開始時賃金日額(育児休業開始前6か月の賃金を180で割った額)×支給日数(通常30日。育児休業期間が終わる月は、育休終了日までの日数)の67%(育児休業の開始から6か月経過後は50%)相当額になっています。正社員だけではなく、雇用保険に入っていればパートやアルバイトでも育児休業給付金は支給されますので、お勤め先かハローワークで申請を忘れないようにしましょう。

申請場所:勤務先の総務や管理部門などか、自分で申請する場合には管轄のハローワーク

必要なもの:申請書、印鑑、銀行口座とマイナンバーを書く必要があるので預金通帳とマイナンバーがわかるもの。自分でハローワークに申請に行く場合には、賃金台帳や出勤簿など、支給申請書の記載内容を確認できる書類が必要になります。

申請期限:休業開始日の初日から起算して4か月を経過する日の属する月末

退職したママが使える補助制度

妊娠や出産を機に退職される方もいらっしゃるかと思います。育児休業給付金は受給できませんが、出産手当金は、退職する時期によっては受給できる場合があります。退職日までに1年以上の被保険者期間があり、出産日もしくは出産予定日から42日(多胎の場合は98日)前の間に退職し、なおかつ退職日に出勤しなければ給付対象となります。出産を機に退職を考えている人は、産前休業期間(出産予定日の42日前。多胎の場合は98日)に入ってから退職することをおすすめします。

失業給付金の延長

雇用保険に入っていれば、退職後に働く意思があれば所定の日数(受給期間)分の失業保険を受給できますが、退職した日の翌日から1年以内という期限付きです。期限を越えれば、失業保険の給付はストップするため、失業保険の受給期間が残っていてももらうことはできません。妊娠・出産・育児のため、すぐには就職できないときは、失業保険の受給要件からはずれるため、失業給付金が無駄になってしまいます。ですが、病気、けが、妊娠、出産、育児のために30日以上働くことができなくなったときは、その働くことのできなくなった日数だけ、受給期間を延長することができるようになっています。なので、妊娠中や出産を機に退職した場合は30日以上働くことができない状態にあるため、失業給付金の延長手続きをしておけば、産後働ける状態になった段階で失業給付金がもらえるようになります。ただし、延長できる期間は最長で3年間になります。手続きは代理人や郵送でもできるので、管轄のハローワークに問い合わせてみましょう。

申請場所:管轄のハローワーク

必要なもの:申請書、雇用保険被保険者離職票、母子手帳、身分証明書(運転免許証や保険証など)、印鑑、失業保険の受給手続きが済んでいる場合には雇用保険受給資格者証など

申請期限:失業給付金の延長手続きは、離職日もしくは30日以上職業に就くことができなくなった日の翌日から1か月以内

出産後に使える子どものための補助制度

児童手当

0歳から中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の子どもを養育している父母などのうち、前年所得が高い方に支給されます。出産後は児童手当の申請をお住いの市町村に提出しましょう。下記の支給額が、6月、10月、2月の年3回に分けて支給されます。

3歳未満 一律15000円
3歳以上小学校修了前 10000円(第3子以降は15000円)
中学生 一律10000円

申請場所:お住いの市町村町の役所など

必要なもの:養育者の保険証(配偶者分も必要な場合あり)、マイナンバーがわかるもの(個人番号カードや個人番号通知カードなど。配偶者分も必要な場合あり)、身分証明書(免許証、保険証など)など、各自治体によって必要なものが違います。振込先の口座番号を記入する必要があるため、印鑑と預金通帳があると書くときに便利です。

申請時期:申請した翌月から児童手当の支給対象となります(月末に近い場合は翌月の15日以内の申請であれば、申請した月から支給されます)。出生届を出す時に一緒に届けるようにすると忘れにくいです。

子どもの医療費助成制度

子どもはよく熱を出したり、ケガをしたりします。そこで助かるのが子どもの医療費助成制度です。お住まいの市区町村によって、対象となる年齢や助成内容が変わってきますが、入院や通院費用の一部もしくは全額を市区町村が負担してくれる制度です。住んでいる市は小学校入学まで医療費無料だけど、隣の市は中学卒業まで医療費無料だったという話もよく耳にします。子どもができたことを機に引っ越しを検討されている場合には、子どもの医療費助成制度の内容を比較検討して、引っ越し先を探すのもいいかもしれません。

申請場所:お住いの市町村町の役所など

必要なもの:申請書、子どもの保険証(発行がまだの場合はなしでOK、後日提出)、マイナンバーがわかるもの(個人番号カードや個人番号通知カードなど)、身分証明書(免許証、保険証など)、印鑑、所得証明書など、各自治体によって必要なものが違います。

申請期限:出生日から14日~1か月以内(市町村町によって違いますので要確認)。期限内であれば出生日まで遡って助成を受けることができます。期限をすぎると、申請日以降からの助成になります。

医療費が高額になった場合の補助制度

高額療養費制度

医療機関や薬局の窓口で支払った額(自己負担額)がひと月で上限額を越えた場合に、その超えた金額が戻ってくる制度です。年収や70歳以上か未満かによって上限額が変わってきます。同じ医療保険に加入している家族の分も合算できます。例えば、ご主人が69歳以下で年収約370~770万円の場合、80100円+(医療費-267000)×1%が世帯ごとの上限額になります。このご家庭で医療費が10万円だった場合、上限額は約8万となるため、申請すれば約2万円が支給されることになります。妊娠・出産ではいつなにが起こるかわからないので、帝王切開になったり、切迫早産で長期入院になったり、出産中のトラブルで母子共に入院が長引くことも起こりえます。そんな時に、医療費の負担を下げられる方法を知っていれば、少しでも心労を少なくすることができます。ちなみに入院した場合の食事代や差額ベッド代は含まれないため注意が必要です。

申請場所:健康保険の場合は勤務先の保険窓口(総務や管理部門など)、国民健康保険の場合はお住いの市町村の役所など

必要なもの:申請書、病院などの領収書、印鑑、銀行口座とマイナンバーを書く必要があるので預金通帳とマイナンバーがわかるもの

申請期限:診療を受けた月の翌月の初日から2年

※各市町村町や健康保険組合によって内容が違う場合があります

まとめ

妊婦健康診査助成金と出産育児一時金のおかげで、正常な妊娠・出産の経過であれば、健診・出産費用の大部分は国や自治体が負担してくれることになります。他にも、妊娠・出産、その後の子育てで利用できる補助制度はたくさんあります。多くの場合、母子健康手帳をもらうときに案内がありますので、しっかり確認しておきましょう。特に出産後は、出生届や児童手当の申請などをパパやご家族にしてもらう必要が出てくる場合がありますので、ご夫婦やご家族で確認しておくことが大切です。働くプレママ・ママはさらに利用できる制度が増えますが、出産手当金や育児休業給付金など、いくらもらえるのかの計算が難しい場合が多いです。そんな時には、簡単に計算できるアプリやインターネットサイトなどがありますので、ぜひ利用してみて下さい。

  • 主な執筆者
hajimatemom

元看護師HANA

産婦人科看護師として3年間の病棟勤務と、婦人科クリニックで1年勤務経験。現在は2人目を妊娠中

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